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この世の華(1)

 「この世の華」と言えば女性のこと。 多くはありませんが、心を奪われた、忘れられない、私の「この世の華」について綴ってみました。 順番は決めていませんが、書き切れないと癪ですから、印象の強い、漏らしたくない女性から書かせて頂きます。

 最初は、当然と言うべきか、日本女性です。 出会ったのは、六本木です。 今になると本当かどうか、疑いたくもなるのですが、そのバーで最初に彼女を紹介してくれた姉さん格の女性によると、彼氏がイランに帰ってしまい、本人もイランに追いかけて行くために、御茶ノ水アテネフランセでペルシア語を習っている。 旅費を作るために、後腐れのなさそうな男性に援助をお願いしたいのだと。 本人とは、その話は全くせず、普通の会話をしていたら、その店の姉妹店でイタリヤ料理を食べて、踊りましょうと言われ、二人で店を出ました。 軽く食事をして、踊って、タクシーをとばして、

休憩旅館に着き、先に立って中に入るのを見て、彼女は「慣れているのね」と言う。それだけでは意味が分からないが、彼女としては「私はなれていない」と言いたかったのだろう。 別れる前に、「寄付」だよと、渡しながら「本当はもっとあげたいのだけど、今はそれしか持ち合わせがなくてさ」と言ったら、彼女は手元をじっと見つめて無言のまま。 こちらは何と声を掛けて良いか分からず、しばらくは動けませんでした。

私には、額が多くて驚いていたとしか思えませんでした。 でも、すぐに、明るい表情に戻り、お互い笑顔で別れました。 

 次ぎも日本人です。 この子は普通のOLで私の下に新人で入って来たのでした。 大学時代の彼氏が卒業と同時に関西の実家に帰ってしまい、終わってしまったと言っていた。 その後は、業務に忙しく、男友達もつくらず、同僚と遊ぶだけのようでした。 しかし、私の転勤が決まり、逢えなくなるのが淋しいと、ホテルの最上階のラウンジでドリンクを楽しみながら、別れを惜しみました。 すると、彼女のほうから「今日は駄目な日なんだけど、それでも良ければ」と言うではありませんか。 断る理由なんかあるわけないが、初めてのことで、気持ちは微妙に揺れていた。 一旦は彼女の自宅に車で向かい、自宅前で二人ともおりた。 彼女は「部屋は二階だけど、外階段で上れるの」と言うが、まだ、気持ちが定まらず、周りを見回していたら、なんと、近所に日本旅館が見えた。 そこならばと、彼女を連れて入った。 汚すといけないからと、風呂場からバスタオルをもってきて、敷いてあげた。 あとで風呂場にもっていって洗っておいた。 「そのときは感じるんです」という彼女の言葉は複雑ながら、強烈な記憶として残ってしまった。(つづく)