さらばロッキー山脈のやまなみ Part I

2月17日付で「コロラドの記憶」という一文を投稿しました。

今回はその続編のようなものです。

 

半年間という短期間の駐在から日本へ帰る際、引継ぎ者無しで帰国

するため、社用車の引き取り先を探した。 サンフランシスコ支店、

ロスアンジェルス支店、ヒューストン支店と問い合わせたが、

間に合ってると云われ、ニューヨーク本社に相談したら、ようやく

機械部の現地人マネージャーの社用車が古くなっているから送れと

言われたが、ドライブ好きだし、途中の風景を楽しめるので、自分で

転がして行くことにした。

 

たった半年の滞在ながら、それなりの思い出があり、バックミラーに

映るロッキー山脈の山並みを見ていると目頭が熱くなった。

 

最初の休憩をとるために立ち寄ったサービス・エリアから彼女に

電話した。 気丈な彼女の受け答えには「悲しさ」とか「淋しさ」

とかが窺がえる様子は無かった。 逆に、こちらから「Say you miss

me」とねだって、ようやく「I miss you」と言わせた。

 

デンバー事務所、兼、住居は街の中心にある高級マンションビルにあり、

単身赴任用に秋葉原で電気製品を購入して持参したので、最初は自炊

していたが、夜食後、車で出かけ、お酒を飲める店を物色していたら、

Drink & Danceというネオンを見つけて入ってみた。

 

テーブルに案内されて飲んでいるとDJが休憩とみえて、Are you enjoying?

と声をかけてきた。 そこで、Do you have a drink?  と、一杯おごって

話をした。 彼は地元デンバーの軍のキャンプで看護兵をしていたらしい。

話がはずんでいたら、奥さんが韓国Bar & Restaurantでホステスとして

働いているから、贔屓にしてやってくれと頼まれた。 そこで、そのあと、

その店に行って彼女に初めて会った。 (つづく)