夏の風物詩~蝉の声

 今日は迷走する台風5号に北東風が吹き込み、曇り空ながら

何とも云えぬ心地良いお天気である。

 

 なかなか住宅地まで来なかった蝉が8月になったら、涼しいにも

かかわらず、ちゃんと住宅街近くの大通りの街路樹でも鳴きだした。

 

 蝉と云えば、勿論、「奥の細道」の旅で芭蕉曽良主従が

出羽の国、今は山形市立石寺で詠んだとされる珠玉の名句2首、

   閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声

   山寺や 石に沁みつく 蝉の声

が思い起こされる。

 

 それと、なにやら、哀れな気持ちにもなるのが、蝉の寿命の

話しである。 土から這い出して、木に登り、殻から抜け出したら

ミンミン、ジージー鳴き続けて、一週間で息絶える。

 

 この話に疑いも抱かず、理由も気にしたことが無かった。

ところが、暇なことと、インターネットという便利なもののお蔭で、

疑問を感じたら、直ぐ「検索」するようになり、ちゃんと答えを

見つけた。

 

 鳴くのはオスだけで、メスは発声器を持っていないのだそうだ。

オスは一生懸命鳴いてメスを呼んでいるらしい。勿論、子孫を残す

ためで、卵を木の葉の裏に産み付けたら両方とも絶命するわけである。

 

 寿命が一週間というのは、そういうこともあるが、実際は一か月位

生きるようである。卵は自力で孵化して、土の中に潜り、2~6年で

地上に出て来るから、トータルの生命のサイクルは短いとは云えない。

 

 蝉さんたちよ、君達は偉い、立派だよ、という賛辞を贈ろう。