「孫子の兵法」

 今日は「秋のためらい」と呼びたくなるような、靄(もや)が

立ち込める天気で、気分が重い。青い秋空と白い雲が恋しい。

実は、近隣のカメラ対象が乏しくなったのと、体調が安定して

きたので、行動半径を拡げたいのである。ここから西に向かうと、

奥多摩湖とか、相模湖とか、高尾山など、見どころが近い。

 

 話が飛ぶが、個人的な問題だが、日本や中国より西洋の

文物が好きで、中国の四書五経とか、老子孔子などは触れた

ことが無い。頭っから、そんな古臭い物は現代に通用する

筈がないと感じていたように思う。まあ、無関心と云った方が

早い。暫く前になるが「孫子の兵法」というテレビ・ドラマが

あった。若い孫子の物語りで、ドラマとしては面白かった。

然し、所謂「孫子の兵法」が何たるかは描かれていなかったと

思う。

 

 ところが、最近、古い西洋の文書を再確認しようと、阿刀田

高氏のギリシア神話、ダンテの神曲コーランなどの解説書を

読んでいるうちに、「孫子の兵法」も解説書くらいは読んで

おこうかと、田口佳史氏の『超訳』を購入してみた。

分かり易く解説されているので言っていることは分るが、

並みの人間には出来ないことばかりと感じた。

 

 「良薬は口に苦し」のような感じだったが、「孫子の兵法」

とは何ぞや、という疑問は解消出来たので、気持ちは「秋晴れ」

である。