視力と眼鏡

 若い時は視力が強く、大学受験で単語のカードを作る時は

米粒に書くような小さい字を書いていた。

 

 45才位で新聞の字がにじみだした。会議の時、手元の

資料は老眼をかけて読み、ホワイトボードに書いてある文字は、

その老眼を外して見るというのがわずらわしかった。生まれつき

近眼だと、子供の時から眼鏡をかけ、不自由だろうなあと同情

していた。然し、生れつき近眼だと老眼になるのが可成り遅い

らしい。

 

 私の場合は遠視だったが、老眼になるのが早いだけでなく、

度が進むのが速いのが問題だった。勤続25年、50才で会社を

退社した原因でもあった。 

 

 車の運転も軽い老眼鏡をかけるようになり、免許証にも

「要眼鏡」と記載されるようになった。今から30年位前だが、

当時「遠近両用」というレンズが売り出された。

試しにあつらえたが、頭が痛くなるので、使用を諦めた。

 

 更に年をとったら、パソコンを使う時の老眼鏡と本を読む

時の老眼鏡と使い分けるようになった。近年になり、眼鏡屋に

行ったら、「近近」というレンズもあると聞き、作って貰ったら

これは調子が良い。

 

 ところが、最近、うっかりスマホを購入してから、困った。

画面の文字が小さくて、読書用の強い老眼鏡がないと、スマホ

操作ができない。そこで、再度「遠近」レンズをつくることにした。

この場合の「遠」は車の運転用の弱い老眼レンズを中央に、「近」は

読書用の強い老眼レンズを下に入れるのである。

 

 幸い、昔より値段は下がっており、当時の1個分で2個つくれる。

然し、老眼に悩まされ始めたときから、考えていたことがある。

カメラの進化は著しいものがあり、眼鏡にももっと先進の技術が

生かされないものか。CCDという光学用のICをゴーグルの中に

装填し、距離に応じて、度が変化するようなCCDアイが出来ない

ものか、という夢である。

 

 携帯電話も30年前は女性の肩からさげるバッグ位の大きさで、

20万円もしたが、問題は重量であった。確かバッテリーが

重かったのだと記憶する。当時はベンツなどの高級車には

自動車電話が標準装備されていたが、ゴルフとか釣りをしながら、

電話をしようと思えば、携帯が欲しかった。

然し、値段もさることながら、大きさと重さで諦めた。

 

 デスクトップパソコンも膝上にのせられるラップトップが

出始め、いずれは、パソコンと電話が一体になると予想していた。

結局、それがタブレットスマホになって現実のものとなった。

 

 ロボットの目と同じものを、ゴーグルの形で使える時代が

そろそろ来ると思うのだが、どんなものか。

 

 眼鏡業界ではなく、IT企業から発表されるかもしれない。

これは、巨大なマーケットがあるから、開発費をいくら

かけても、儲かると思う。宇宙開発より先にやるべきだろう。