うそー、ほんと? 第三十話
私自身、未だに不思議に思っている事。
それは、ゴルフと「四十肩」の関係である。
直接の関係は無いかも知れないが、私の場合、ゴルフで
ベストスコアが出た直後に「四十肩」の症状が出たのである。
ゴルフを始めたのはニューヨーク駐在となってからで遅かった。
社内は大学でゴルフ部に居た人間もおり、上司も東大出でゴルフも
シングル級だった。 ゴルフは可成り頭脳を使うスポーツである
ことは間違いない。 然し、後になって分かったが、筋肉が柔らかく
ないと上達は難しいゲームでもある。 私は筋肉が異常に堅かった。
胡坐がかけず、正座も厳しかった。
社内コンペ、業界コンペと、腕を磨く目標もあり、更に、賭け
ゴルフが常識だったから、いやでも夢中になった。
内地に較べて遥かにプレーする機会が多く、30才で始めたのに、
40才位で80を切りそうなレベルになった。
業界コンペにハンデ26で出て、86でまわり、優勝、ハンデは
18に下げられた。次の月のコンペで82が出てハンデは9になった。
次の月はハンデがきついから入賞も諦め、いいスコアだけを目指した。
ところが、このとき、左腕の付け根に痛みが出て、ウッドのクラブが
振れなくなった。 やむを得ず、3番アイアンでテイーショット、
ロングホールは2打目も3番か5番アイアンでショット、3駄目は
ウェッジではなく、9番アイアンでピンそば、バーデイという
信じられないゴルフをやった。 然し、そうそうラッキーは続かず、
スコアーは90を超えた。
その次のゲームで痛みが右腕の付け根に移り、クラブが振れなく
なり、会社でタイプライターを打ったり、ボールペンで字を書くと、
指先まで痛むようになり、ここから半年にわたる治療の結果、再び
クラブを振れるようになるが、長いクラブを振れるようになるのは
可成り後のことになる。