頭を使うということ

 目下の人間に「頭を使え」と云うことが多い。

 

 良く気になるのは、車の運転のマナーである。

 例えば、道路端に一寸駐車する場合、十字路から

何メーター位手前に止めるべきか。

 反対車線の端に他の車が駐車していたら、その車の真横は

いけないことは常識だが、どのくらい先か手前に停めたら

交通の邪魔にならないか、一々考えて停めているだろうか。

 

 自分ではどうかと云うと、頭を使わないと、つまり、

考えてからでないと、何かをやらない。何かをやろうと

するとき、まず、何を考慮にいれるべきかを考える。

 相手のあることなら、相手のことを考える。

 いい加減に、というか、適当に考えて、始めると、途中で

「これはいかん」となって、最初に戻って再度考える。 

 良く考えて、必要が無いとか、出来そうもないという結論に

到達して、白紙に戻す、つまり、やめる、ということもある。

 

 変な例だが、中学・高校時代、数学の問題で解法を探して、

これだと思う算式を思いつき、進めたが正解に辿り着かず、

最初からやり直したことが多い。

 当然、時間切れで正答問題は少なかった。

 

 優秀な頭脳というのは、コンピューターと同様、計算速度が

速く、記憶容量が多いのだと思う。然し、こういう頭脳は多分

長持ちは出来ないのではなかろうか。何でも使えば疲労がくる。

高速で連続して使えば早く疲労が来るだろう。認知症とか脳梗塞

とかの遠因なのではなかろうか。記憶はノートに記録したり、

それこそ、コンピューターのクラウドにファイルしたりしたら、

忘れるとかすれば、自分の脳は休められる。

 

 人生で云えば、「シンプル・イズ・ベスト」が良い。

 脳を使うときは「悩む」のは避け、「楽しむ」ことに

使うのが良い。悩めば疲れるが、面白いと思って脳を使うと

疲れない。

 

 「人生」とは何だろう。人によって違う。

 「人生は挑戦」か、「人生は旅」か、「人生は遊び」だと

思うが如何に。