2017年 秋田大曲の花火
秋田県大仙市の「大曲の花火」は二度の水害を克服して、
今日8月26日実施された。
同県横手市在住の作家、さかきはら枝都は氏の小説
「夏の再会」に触れて以来、いつか実物を観に行きたいと
願ったが、体力的に無理と諦めていた。
古い映像だがビデオを購入して鑑賞してみたが、東京の
「隅田川の花火」のテレビ中継と較べると迫力が無かった。
そこで、テレビ中継は無いものか、念の為、大会公式
サイトで探してみたら、NHKのBS103がほぼリアルタイムに
中継すると出ていたので、早速録画予約をしておいた。
何故なら、同じ時間帯に巨人・阪神戦の中継があったから。
野球が終わってから、「大曲の花火」の録画を観たら、
いろいろな理由でひどく感動した。「夏の再会」という
小説の舞台を実感したいという想い、実物を観たいのに
観に行かれないという悔しさ、雄物川の氾濫で会場が
被害に遭いながら、必死に大会挙行に尽力された関係者の
みなさんの気持、などの想念による。
今夜のテレビ中継は日本唯一の全国競技大会のわりには
素朴だったが、それだけ花火に集中して見ることが出来た。
「大曲の花火」を知ってから、ビデオで長岡とか土浦など、
日本三大花火大会のほか、全国の有名花火大会の優秀花火を
観て来たが、今夜の「大曲花火」は素晴らしかった。
技術が急速に向上しているからだと思うが、彩色、形状など
目を見張るものが多かった。同時に流された楽曲もチャーミング
だった。「大会提供花火」が最大のパフォーマンスだった。
横幅を200メートル広げて900メートルにしたというから当然
だが、こんなショーはラスベガスに持って行ったら受けるだろう。
映画の一場面に使って貰いたい位のものだ。
然し、感動の最大の原因は「空」の大きさにある。都会の花火は
ビルなどの障害物で花火の舞台となる「空」がギザギザと限定的
であるが、「大曲の花火」の舞台は海の如く広大である。
フィナーレの花火は期待ほどではなかったが、その後に大変
感動的な幕切れがあった。それは、テレビ画面をデジカメで撮った
下の写真にあるが、観客が持参のカラフルなトーチを振って、川の
流れの向こうの花火師たちに感謝の気持ちを送り、花火師たちも
火が燃えている松明のようなトーチで観客に感謝の返礼をしている
風景。「素晴らしい」の一語に尽きる。